うつつや
脚本家
Chroche_bg
投稿日時
2018-04-30 09:33:19

四条貴音

これはこれは……あなた様でしたか。

四条貴音

随分とお疲れのようですが、道にでも迷いましたか?

四条貴音

いえ、怒ってなどいませんよ?

四条貴音

「すぐ行く」と仰られてから四半世紀程でしょうか。この茶屋で待ち惚けていただけに過ぎません。

四条貴音

……。

四条貴音

いえ、本当に怒ってなどいませんよ。むしろ、私の方が謝らねばなりません。

四条貴音

あの時、私が足手纏いにさえならなければ、あなた様は戦に……

四条貴音

それを……むぐっ。

四条貴音

……そう、ですね。過ぎた事を悔やむのは……。

四条貴音

……分かりました。

四条貴音

過去を清算し、“これから“を考える事にいたしましょう。

四条貴音

ここでは我々の夢であった泰平の世が広がっております。

四条貴音

戦もなく、飢饉もない。望めば叶い、祈れば届く、理想の世です。

四条貴音

かつての夢が今、我々のうつつとなり――

四条貴音

かつてのうつつが、我々の夢となるのです。

四条貴音

ゆえに、床につく際はご注意を。

四条貴音

死神は常に我々の首に鎌を当てているです。

四条貴音

夢とは美しく、同時に儚いもの。

四条貴音

「生」を与えられてしまっては、夢に生きる我々は死を迎えてしまいます。

四条貴音

あなた様はまた……生きたいですか?