才能
脚本家
ichi_cho_London
投稿日時
2018-05-11 17:03:58

ジュリア

よう、また来たのかい。アンタも相当物好きだね。

ジュリア

スカウト?冗談じゃない、アイドルなんざ真っ平御免だね。

ジュリア

おっと出番だ。ま、そういうこった。帰ってオタクから金取る計画でも練ってなよ。

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―――

ジュリア

なんだよ、また来たのか。プロデューサーってのも相当ヒマなんだな。

ジュリア

ん?ああアイツらか。見ての通り、偽りの天国とやらへの案内人さ。

ジュリア

おいおい何ビビってんだ、ドラッグなんざ芸能界じゃ珍しくないんだろ?

ジュリア

ああ、アタシはやらないよ。アタシは自分の才能に酔ってるからね。あんな物無くたって、常に気持ちいいんだ。

.

……

ジュリア

才能とはそんな物じゃない、だと?言ってくれるね。次のステージ見て腰抜かすんじゃないよ?

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――――

ジュリア

よう、アンタか。この怪我?ちょっとね、大したことじゃないさ。

ジュリア

才能があり過ぎるのも考えもんだぜ、嫉妬する凡人達とすぐトラブルになっちまう…。

ジュリア

…おい。なんとか言えよ。もう分かってるんだろ?

ジュリア

そうだよ。アタシにロックの才能なんて、欠けらもありゃしないんだ。

ジュリア

喧嘩したのもそれが原因。ヘタクソがいきがるなって言われて、ついカッとなっちまった。

ジュリア

アタシのロックごっこもこれでオシマイさ。トラブルを起こした以上、もうここには来れないしね。

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………

ジュリア

ステージを見に来いだ?へっ、お断りだよ。オタクにパンツ見せてはしゃいでるライブなんざ…

ジュリア

…分かった行くよ、行けばいいんだろ。アンタ、ほんとにしつこいな。

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―――――

ジュリア

よう。アンタ、大したヤツだったんだな。このパス見せたら皆びっくりしてたぜ。

ジュリア

…悪かったよ、アンタのアイドルバカにして。あの如月千早、だっけか?大したもんだった。

ジュリア

あーあ。エラそうに言ってた自分が馬鹿みたいだよ、アタシにはアイツの爪ほどの才能も無いのにな。

ジュリア

いい思い出が出来たよ、ありがとな…これから?さあね、地元帰って女子高生でもやるかな。

ジュリア

…またその話か。言ったろ?アタシには才能が無い。アイドルにだって才能は必要だろうが。

ジュリア

もうアタシなんざほっといて、もっと才能あるヤツを…何、音楽が嫌いになったのか、だと?

ジュリア

ふざけんな。それとこれとは話が別だよ、冗談じゃない。

ジュリア

好きだよ。好きで好きでたまらないさ。だから、こんなに苦しいんじゃないか。

ジュリア

どうしてアタシには才能が無いんだって。アタシの歌じゃ誰も喜ばない、誰も救えない。

ジュリア

こんな奴が歌う事にこだわったって、何も生み出せないんだよ。だったら、いっその事。

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………

ジュリア

お前には才能がある?何言ってやがる、どこ見てそう思ったんだよ。ただのひねくれ者じゃないか。

ジュリア

それだけ好きでいられるのは、もう立派な才能だと?そう来るのかい…

ジュリア

………おい、プロデューサーとやら。

ジュリア

筋金入りのロックバカを、一体どんなアイドルにするつもりなんだい、ええ?

ジュリア

ちょっと、面白そうじゃないか。いいぜ、その話乗ってやる。アイドルってやつになってみようじゃないか。

ジュリア

…おおっと。ただし、だ。条件が一つある。何、大したことじゃないさ。

ジュリア

アタシは音楽が、歌う事が大好きだ。それだけでも才能だって言った事は、きっちり責任取ってもらうぜ。

ジュリア

だからさ。いつか、さっきの如月千早みたいなステージに辿り着けるように、アタシを導いて欲しい。どうだ?

ジュリア

……よし!決まりだな。アタシの才能とやら、しっかり伸ばしていってくれ。頼むぜ、プロデューサー?